更年期



ファミールには連日、更年期症状を訴える患者様が漢方治療を受けにいらっしゃいます。


更年期は、ライフサイクルにおいて老年期へと移行する時期であり、誰もが通過するひとつの「節目」と考えられています。従来、更年期については、臨床医学の立場から見た「更年期障害の治療」という観点からのみ研究されてきました。しかし、更年期の問題は、むしろ「健康の保持・増進、病気の予防」という観点から考えるようになってきています。人生80年時代を迎えて、50歳以降も若々しく活力にあふれて生きることが望まれているからです。


更年期にはいわゆる「半健康」状態に陥りやすくなります。加齢による身体機能の低下や精神的・心理的な変化が生じ、それに伴い心身の不調を感じるようになるためです。また、生活状況によっては、生活習慣病(成人病)を誘発しやすくなるともいわれています。


「更」という字には「かえる・改める」という意味がありますが、更年期は「年のかわる時期」ということになります。つまり、更年期はそれ以前の生活を見直し、改善していくよい機会ともいえます。


では、更年期の半健康状態を乗り越え、健やかな老後を迎えるには、どうすればよいのでしょうか。それは、日々の生活習慣、とくに「食生活(栄養)」「運動」「休養」を改めて見直して、問題があれば上手に改善していくことが必要になります。


そうです、漢方やホルモン補充療法にたよる前に、ご自分の生活習慣を見直すことが、まずはじめにやるべきことなのです。


漢方治療は西洋治療を違い、自分が持っている自然治癒力を高め、病気になりにくい体質をつくります。治療というより、体質改善、健康維持といったように考えていただければいいかと思います。そういう意味で私は漢方薬を多用します。


とはいっても、何より大事なのは規則正しい食生活であることを忘れないでくださいね。


今日の一言
 「更年期はそれ以前の生活を見直し、改善していくよい機会」