緊急避妊薬


避妊に失敗したとき、その72時間以内に服用すれば妊娠の可能性を低くできる「緊急避妊薬」の臨床試験(治験)が年内にも始まるようです。


実は、性行為後に行う緊急避妊について、厚生労働省は「コンドームの不使用につながり、性感染症が増える」などの理由で公的に認めていなのです。


外来診療で、望まれない妊娠に対し中絶という選択をせざる終えない患者様に、どうして避妊ができなかったのかといつも考えてしまいます。


以前モーニングアフターピルのお話をしました。これは、通常月経不順で用いている女性ホルモン剤を投与するもので、適正に服用すれば90%程度の避妊効果があります。


厚生労働省がなんといおうと、現実には緊急避妊薬を必要とされている方々がたくさんいることをぜひとも知ってもらいたいものです。


ちなみに、その治験薬はノルレボといわれており、世界保健機関(WHO)は、無防備なセックスから5日以内で望まない妊娠を避けるための方法として、限定的に緊急避妊法を勧めています。


厚生労働省は「『性感染症も防げるコンドームの普及を阻むおそれがある』『安易な性行為が増える』などの懸念が根強くある」として、緊急避妊を推進していません。私がいいたいのは、性感染症の蔓延、性行為の増加と緊急避妊薬の使用に関しては、次元の違う問題であり、あいかわらずお役人の考えは・・・と悲しくなります。


同様の懸念は低用量ピル(経口避妊薬)でもあって、国内での承認までに9年かかりました。


バイアグラが認可されるのはあっという間だったのに、なんともおかしな話です。


今日の一言
 「「緊急避妊薬」の臨床試験(治験)が年内にも始まるようです」