かぜと抗生物質



みなさん、風邪をひいた時に近所の先生から抗生物質をもらっていませんか?


最近暖かくなりつつあり、かぜの季節は終わりを告げようとしていますが、どうやら安房の地域ではかぜをひいた時に抗生物質を多用している気がしたので一言書いてみようかと思います。


そもそもかぜの原因は「ウイルス」です。みなさんが普段飲んでいる抗生物質の大半は「細菌」に効くものです。ですからかぜには抗生物質が効かないことになります。


それではなぜ抗生物質を処方されるのでしょうか?これは、かぜの後の肺炎を予防するものだと思ってもらえばいいと思います。


別に製薬会社さんの売り上げに貢献しているわけではありませんよ!


抗生物質を頻繁に使用することで様々な弊害が指摘されています。最も心配なのは、抗生物質の耐性菌が出てしまうことです。これは、抗生剤が効かない細菌が誕生してしまうということです。このような耐性菌は、たいてい健康な人には問題ありませんが、新生児やお年寄りのような抵抗力の低い人には大敵となります。


婦人科疾患で言えば、抗生物質を飲むことで膣内の有効な雑菌が死滅し、カンジダが増え、帯下の増加やかゆみを伴うことがあります。カンジダ膣炎で苦労した方の半分くらいが抗生物質使用後ではないでしょうか?


みなさん、かぜのときに安易に抗生物質を使用しないよう心がけてください。もし処方されそうになったら、自分から断ることも一つの方法です。みなさんで不必要な医療費を削減し、国の財政に貢献しましょう。


今日の一言
 「かぜのときに安易に抗生物質を使用しないよう心がけてください」