妊婦さんのインフルエンザワクチン


現時点で流行っていませんが、そろそろインフルエンザに気をつけなければならない季節ですね。


患者様からは、妊婦さんのインフルエンザワクチンについての問い合わせが多いいため、妊婦さんのインフルエンザワクチンについてある程度専門的な話をしようかと思います。


インフルエンザワクチンは不活化ワクチンです。したがって妊婦にも安全に投与できると考えられています。


ただし日本での添付文書では妊婦への接種の項に安全性が確立していないので接種しないことを原則とし、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種することと書かれています。


こういう添付文書は良く見かけ、妊娠中に投与する薬の大半が同じように書かれています。


アメリカの考えはインフルエンザワクチンはインフルエンザ流行期には妊娠中期、後期の妊婦には強く勧められています。


特に妊婦が肺、心臓の病気があるときは妊娠中期、後期にインフルエンザにかかると入院の必要性が高まります。


多くの専門家はインフルエンザワクチンは生ワクチンではないので、全身的な反応はまれであるから妊娠のどの時期に接種しても安全と考えています。


別のもっと実際的な文献にはインフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり安全に接種できると書かれています。


・インフルエンザシーズンに妊娠中期、妊娠後期の妊婦には10月から12月に接種すべきである


・喘息、糖尿、心血管系の異常のあるハイリスク妊婦には、妊娠週数にかかわらず投与すべきである


・インフルエンザシーズンでの中期、後期の妊婦は、他のリスクグループと同程度の、合併症の危険がある


注;他のワクチンについて
 水痘、風疹は生ワクチン。妊婦には禁忌。
 破傷風ジフテリアワクチンはトキソイド;妊婦に接種可能
 HBワクチンも表面抗原だけだから安全
 肺炎双球菌ワクチンもポリサッカライドであるから安全


これらのワクチンをハイリスクグループにルーチンに投与することが薦められています。


以上から
ファミール産院では、妊娠14週を超えた妊婦さんには、本人の希望する場合はインフルエンザワクチン投与を勧めています。


いかがだったでしょうか?これで、妊娠14週を超えた妊婦さんは、インフルエンザワクチンの接種に抵抗感がなくなったと思います。


今日の一言
 「ファミール産院では、妊娠14週を超えた妊婦さんには、本人の希望する場合はインフルエンザワクチン投与を勧めています」